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院長ブログ

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OTCアレルギー薬と耳鼻咽喉科受診の経済的比較

2021年5月16日 カテゴリー:

北名古屋市にある みやもと耳鼻咽喉科の宮本です。

 

前回ブログ OTC医薬品って何?メリットとデメリット

 

さて今回は、花粉症治療に関わる費用についてのお話です。

 

以下は令和3年4月での診療報酬基準およびある薬局さんでの売値を参考にしています。

日時などいろいろな条件で細かい違いがありますのでご了承ください。

 

アレグラ(一般名フェキソフェナジン)について取り上げます。

 

①病院(耳鼻咽喉科)に初めて受診した場合(初診)

診察・処置・ネブライザー治療とアレグラ28日分処方 A.1350円(3割負担)

薬局での調剤料 B.アレグラ      約1400円

        C.フェキソフェナジン 約1050円(*オーソライズドジェネリック)

合計 A+B  約2750円 または A+C  約2400円

 

②病院(耳鼻咽喉科)で引き続き同じ薬を処方された場合(再診)

診察・処置・ネブライザー治療とアレグラ28日分処方 D.710円(3割負担)

合計 D+B  約2110円 または D+C  約1760円

 

③薬局で直接購入した場合

E.アレグラ28日分 約3800円

F.フェキソフェナジン30日分 約3000円

 

 

さて、考察してみましょう。

 

 

アレグラ単剤内服で単純比較をしてみても、受診する方が経済的な負担は少ないです。

再診になればなおさらです。長期の内服が必要となると・・・明らかですね。

 

また、中等症・重症の方は、アレルギー薬2剤あるいは点鼻薬など、単剤では症状をコントロールできない可能性が高いです。その場合、受診による診察代は、処方箋料が若干変わりますが、病院でのお支払いはそれほど多くは増えません。薬局での調剤料が増えますが、もちろん3割負担です。直接薬局で複数の薬を購入する場合は、さらに差はひらくと思われます。

 

 

軽症でも時間の取れる方・中等症・重症の方は、耳鼻咽喉科受診による治療をお勧めいたします。

 

 

 

政府は医療費の削減のためにOTCを増やそうとしているようです。

国家財政を考えると・・・医療費の削減は必要ですが・・・

個人の家計を考えると・・・

 

上記は、あくまでも耳鼻咽喉科専門医の私見です。

状況・状態により薬局での直接購入とうまく使い分けていただくと良いと思います。

 

 

*オーソライズドジェネリックとは

概ね薬の原料・添加剤・製造方法が先発薬と同じ薬です。つまり名前の違う先発薬です。

**先発薬とは、開発した製薬会社が最初に発売したオリジナルの薬です。

***いわゆるジェネリック薬は、薬の主原料が同じものです。添加剤・製造方法は異なります。

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OTC医薬品って何?メリットとデメリット

2021年4月30日 カテゴリー:

北名古屋市にある みやもと耳鼻咽喉科の宮本です。

 

みなさんはOTCという言葉を聞いたことがありますか?

 

OTC(Over The Counter)カウンター越しという意味で、カウンター越しにお薬を販売していたことに由来しています。医師の処方箋がなくても薬局などで購入できるお薬です。ただし、薬局で薬剤師さんの問診を受ける必要がある薬もあります。

 

そして沢山あるOTC医薬品の中に、病院で処方されるのと同じ成分・同じ容量の薬もいくつかあります。

 

具体的に挙げると、花粉症の時に内服する薬でも、アレグラ・アレジオン・クラリチン・タリオン・ジルテック・フルナーゼ点鼻薬はOTCがあります。

 

ここで考えてみましょう。

以下はアレルギー性鼻炎・花粉症治療についての耳鼻咽喉科専門医の意見です。

 

同じ薬ならば・・・

①病院にかかって処方箋をもらって薬局に行って薬を手に入れる

②薬局で直接購入する

手間と時間が大分違いそうですね。

 

病院(耳鼻咽喉科)にかかるメリット

 ・鼻内の状態を診察し、重症度に応じてお薬の強さ・量などを処方してもらえる

 ・薬の選択肢が多い(強めの抗アレルギー薬は、まだOTCには少ないです)

 ・健康保険で3割負担(あるいはそれ以下)で単価は安くなり、経済的負担が少ない

 ・ネブライザー療法など他の治療も受けられる

 

 病院(耳鼻咽喉科)にかかるデメリット

 ・何と言っても手間・時間が掛かる

 

OTC医薬品のメリット

 ・手軽に入手できる(すぐに内服したい時にはとても助かりますね)

 ・薬剤師さんに相談できる

 

 OTCのデメリット

 ・単価が高い(長期や複数内服する場合は、より経済的な負担に差が生じます)

 ・薬の種類が少ない

 

みなさんはどうされていますか?

 

アレルギー性鼻炎の場合、上記をふまえて考えると、

 

A.鼻の症状の原因がわからない

  →まず耳鼻咽喉科受診を勧めます。どんな病気か診断が必要です。

 

B.ある程度原因がわかっているが、急に発症して辛くてすぐにどうにかしたい

  → OTC医薬品を緊急的に使用し、時間ができれば耳鼻咽喉科を受診する

 

C.ある程度原因はわかっていて、短期間で症状が終わると予測される

  →OTC医薬品でも良いかもしれません。

 

D.時間的な問題はない

  →耳鼻咽喉科に受診し、個々人にあった処方薬を内服する

 

E.アレルギー性鼻炎の症状が長期である・重症である

  →耳鼻咽喉科受診を勧めます

 

F.スギ・ダニのアレルギーの体質を変えたい(根治治療の可能性を希望)

  →耳鼻咽喉科を受診し、舌下免疫療法を勧めます

 

いかがでしたか。

次回のブログは具体的な費用についてお伝えします。

 

GWになりスギ・ヒノキは終わりました。

イネ科のカモガヤが飛んでいます。まだまだ気をつけてください。

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点鼻薬の上手な使い方

2021年3月21日 カテゴリー:,

北名古屋市にある みやもと耳鼻咽喉科の宮本です。

 

 

朗報です!!

 

 

多分・・・朗報です!

 

 

というのは

 

 

今年のスギ花粉のピークは、多分・・・過ぎてます。

 

 

明らかに過去2年より早くピーク(2月下旬)が来てますね。

 

と言っても天気が良いのでボチボチと飛散しています(3月下旬)ので、花粉対策は継続してください。

 

そして、スギ花粉の後には、ヒノキ花粉・カモガヤ花粉が続きます。

 

よく診察時に質問されますが、

Q.良くなったら薬をやめても良いですか?

Q.症状の軽い日は内服を減らしても良いですか?

 

A.花粉飛散以後ずっと刺激を受け続けているため、身体は反応しやすい状態にあります。

花粉の飛散状況・天気・体調・お薬の効果などにより、症状に波があると思います。

 

 

さて、本日の主題に入ります。

 

点鼻薬というとみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

 

おそらく

 

「鼻づまりを早急に改善するために使うもの」

 

と認識されている方が多いのではないかと思います。

 

 

使ったことのある方は、

 

「1日に何度も使って、だんだん効きが悪くなっている」

「時々使ってるけど効果ないから使ってない」

 

と思われているのではないでしょうか。

 

診察で処方する点鼻薬は3種類あります。

 

①抗ヒスタミン薬の点鼻薬(私が医者になりたての頃は処方していました、今は・・・)

②ステロイド点鼻薬

③血管収縮剤の点鼻薬

 

当院では主として②ステロイド点鼻薬を処方しています。そして、あまり子供さんにはオススメしませんがどうしても鼻づまりのつらい方に③血管収縮剤の点鼻薬を処方しています。

 

ステロイド点鼻薬の正しい使い方は、症状の強い時のみ時々点鼻するのではなく、薬剤により1日の点鼻回数が決まっていますので、定期的に毎日使用していただくと強い効果を発揮します。つまりステロイドは、即効性はそれほどありませんので、時々単発で使用しても適正な効果を得られず、効かない印象を持たれてしまうことになります。

 

③血管収縮剤の点鼻薬は、鼻づまりに即効性があります。正しく使用していただければ良い薬剤です。ただし、鼻づまりが強く効果が切れる度に、1日に何度も長期間使用し続けてしまうことがあります。そうするとだんだん効かなくなり、点鼻回数が増える悪循環に陥ってしまい、鼻粘膜が肥厚してしまう薬剤性の肥厚性鼻炎になってしまいます。くれぐれも使用回数・方法を気をつけてください。

 

ステロイドを怖いと思われるかもしれませんが、体に摂取されるステロイドの量は、

内服薬よりもとても少ないため、全身への副作用は少ないです。

もちろん、正しく使用して、お薬の利益を使って、快適に過ごしたいですね。

正しく知識を持って、正しく恐れていれば問題ないと考えます。

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スギ花粉症の季節 今年は早めに対処を!!

2021年2月23日 カテゴリー:

北名古屋市にある みやもと耳鼻咽喉科の宮本です。

 

とうとうスギ花粉の本格飛散がやってきました。

 

先週くらいからスギ花粉症の患者さんが、少しずつ多くなってきていました。

しかし、今年はまだ発症していなかった方も、さらに週末の暖かい晴天により、

突然発症・悪化されたのではないでしょうか。

 

2月22日に突然患者さんの数が増加したために、

午後の受付を途中で止めざるをえませんでした。

ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。

中耳炎などの急性疾患で通院中で、お薬が切れてしまう場合は、その旨お伝えください。

 

下図赤が今年愛知県環境調査センター(名古屋市北区)で観測された花粉の量です。

過去2年より早く飛び始めているようです。

 

 

 

Q1.さて、毎年花粉飛散予想がいろいろなところから発表されていますが、

皆さんは花粉飛散予想がどのような条件で決まるかご存知ですか?

 

 

A1.前年の夏の気候で決まります。

 

気温が高いか低いか

日照時間が多いか少ないか

雨の多いか少ないか

 

スギ花粉は、もちろんスギの雄花から飛散します。6月前半から成長が始まります。昨年の6月前半はその前年より日照時間が長く、かなりの雄花が成長を始めました。そのため、全国のスギ雄花は前年より多く育っています。しかし7月の気温が低く、日照時間が少なかったために成長できなくなった雄花もあったようです。このために2020年春より花粉は多くなりますが、例年よりは少ないでしょう。(参照:NPO花粉情報協会)

 

Q2.昨年(前年)はわかると思いますが、それでは「例年」とはいつでしょう?

 

 

A2.その年の「過去10年」が「例年」となります。

つまり2021年の例年比は、2011〜2020年の平均花粉飛散量との比較になります。

 

 

今年の予想は

 

   昨年比  例年比

愛知 262%    82%     

全国 117%    80%    (参照:ウェザーニューズ)

 

愛知県は、非常に少なかった昨年より2.6倍多く、10年の平均比80%となります。

 

あくまでもこれは飛散前までのスギの雄花の花粉備蓄であり、

もう一つの条件として、1月から4月までの気候があり、最終的に飛散量が決まります。

 

スギ花粉に対する舌下免疫療法についてはこちらをクリック

 

 

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開院15周年!ありがとうございました

2021年2月2日 カテゴリー:,

北名古屋市にある みやもと耳鼻咽喉科の宮本です。

 

地域の皆さんに信頼される「みみ・はな・のどのかかりつけ医」を目指して

15年前の2月2日に開院いたしました。

当院はおかげさまで開院15周年を無事迎えることができました。

ありがとうございました。

 

 

 

2月1日を研修日とし、2月2日に新しいシステムが稼働することになりました。

 

期せずして同じ日となり、

新しい「みやもと耳鼻咽喉科」にリニューアルしての第二の開業日と思っています。

 

一昨年の時点で、数年以内に使用している電子カルテの入れ替えをしなければならない状況となり、電子カルテの選定に入っていました。

選定に際して、開院以来15年分の患者さんの情報を、滞りなく・漏れなく移行することを第一条件としました。その上で、耳鼻咽喉科で使用しやすい機種を選ばなければなりませんでした。

 

開院時の導入は、白紙からのスタートである意味簡単です。

しかし、既存のデータがあるため入れ替えはかなりハードルが高く、責任を持って対処してくれる電子カルテメーカーさんは少数でした。その中で、信頼できる満足できるご縁がありました。

そして、入れ替えの苦労を乗り越えると、そこには新しい可能性が広がっていました。

 

稼働の時期は少し遅れます(2月中旬)が、以前の電子カルテではできなかった

自動精算機の連動が可能になりました。

このwithコロナの時代においては、感染予防の点で一助になると思っています。

 

電子カルテの入れ替えをきっかけにして、

院内の設備をかなりアップデートいたしました。

①昨年末よりウェブ問診の導入。

②電子カルテの入れ替え

③自動精算機の導入

④レントゲン機器の入れ替え

 

スタッフ一同一生懸命に研修を行い、極力ご迷惑をおかけしないように万全を期していますが、それでもご不便をおかけすることがあるかもしれません。

新しいシステムに慣れるまで温かい目で見守っていただけると幸いです。

 

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